日本画ユニヴェール・デザール誌上展 掲載作品 【2003年】
【ユニヴェール・デザール誌寸評】 清らかな心で捧げる深い祈り
門出の季節を象徴する桜の花と、祈る地蔵の組み合わせは、寓話のラストシーンのようだ。地蔵に亡き母の姿を重ねた。それによって、作家ばかりか観る者の多くがわが母を思い、祈りの深さを実感するであろう。
金泥を加えた岩絵の具は、素朴な色調のうちにも華やかな雰囲気があり、門出の祈りにふさわしい。地蔵の頭上に咲き誇る桜の散らし具合が絶妙で、地蔵の存在感をうまく引き出している。
清らかな心で描き出された作品は、安らぎと勇気を与えてくれる。
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